すべてに齧りつく(適わなくても)/ホロウ・シカエルボク
 
かいていることなんか俺には出来ないさ、俺は魂の地雷原を歩くために生まれたんだ、たしなみなんかに用はないのさ、バーン!なにかがひとつ爆発して、そいつの破片が心臓まで届いたらそれでお終いかもしれないんだぜ、お終いになることは怖いさ、お終いになることは怖いよ、だけど、お終いを恐れて歩くのを止めることはもっと怖いのさ、水は流れ始めた、もうずっと昔に…俺はそのひとつひとつを辿りながら、初めはどの道が正しいのかと考えていた、だけどそれは無駄なことだと途中で気づいた、「どの道」なんてものはありはしないのだ、それはただ枝分かれしただけのことで、元をただせば山頂で溢れた同じ水、同じイマジネーション、同じ魂―そのこと
[次のページ]
戻る   Point(2)