人生は退屈ではない/葉leaf
ある。例えばドキュメンタリー映画が、そのリアルさゆえに思わぬ夾雑物をたくさん映してしまうように。
人生に起こる感動的な出来事はたいていありきたりであるが、そのありきたりさをどこまでも感じ尽くし、丁寧に細部を拾っていき、自らの視点を設定し、書き終わった後、人生をよりよくとらえることができた、私は人生を決して無駄にすることがなかった、そう思えるようになったとき、人生は全く退屈ではなく、むしろ限りない刺激に満ちたものとなるだろう。虚構の美を描き続けても、いつかはその不毛さに気付く。人生にとってプラスになることは少ないし、そもそも自分の人生をないがしろにしてしまっている。自分の人生という唯一の現実につ
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