星が降った聖夜/くみ
、何処かに出掛けるよりも家でゆっくり2人で過ごす事に落ち着いた。
彼の両親は夜遅くまで帰ってこないらしい。
彼の家は何回か行ってはいるが、洋風な造りの一軒家だ。普通にガーデニングされた少綺麗な庭があったのだが、初めて来た時に驚いたのは、小さな中庭もある事だった。イギリス風の中庭で、温室までちゃんとあるのだ。中には薔薇なんかの華やかな花が綺麗に咲いていたのを思い出した。
「これ、開けてみて」
彼の家に入り、座り心地の良いクッションが沢山あるソファーに腰を降ろすと、買ってきたケーキを差し出した。
彼が箱を開けると中には幾つもの種類の小さいケーキが規則正しく並んでいる。
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