愛と孤独の彼方へ/葉leaf
ば
(「幼虫」)
この詩編は、作者の愛する人が新しく生まれていくことに希望を見出し、「やがて わたしたちは 並びたち/金色にそまりだした 翅を 天にむける」という具合に、愛する人と共に生きていこうとする希望を歌っている。だが、この詩編の示す連帯もまた安穏なものではない。この連帯には互いに破壊し合いながらもかろうじて成立しているような危うさがある。光冨が連帯を描く場合、連帯はたいていこのように却って、孤独な主体の闘い続ける姿勢を浮き彫りにするのである。ここには、光冨が安易に連帯に安住していたのではなく、そのような連帯を超えて自己自身の闘いを見つめようとしているのがうかがわれる
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