愛と孤独の彼方へ/葉leaf
愛は他者や社会と共生する欲望であり、共生それ自体が目的となる。人は相手を保護するように愛することもあれば、相手に依存するように愛することもある。本能的な、あるいは発達の諸段階で徐々に獲得していく愛もあれば、社会生活の中で獲得していく愛もある。愛は連帯の中に入り込みたいという欲求でもあり、連帯の中で新たに発生してくる安定感でもあり、連帯の中に自己を見失う危険も蔵している。
光冨は自己の孤独を叫び立てているだけではないし、愛の充溢をのんきに歌っているわけでもない。傷から発される支離滅裂な表現に終始しているわけでもないし、満たされた愛を多幸感いっぱいに自慢するのでもない。光冨は常に愛と孤独との途上に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)