「従軍慰安婦」と「挺身隊」──────朝日「第三者委員会報告書」に寄せて/Giton
強制連行」という語(注)は、この前後の時期から内容不明確のまま広い範囲で使用されるようになり、言葉が実体を離れて一人歩きするようになったと言えるだろう。
(注)この分野での「強制連行」の最初の使用例は、おそらく朴慶植の著書の題名『朝鮮人強制連行の記録』であろう。しかし、朴慶植は、この著書の中で、「強制連行」のさまざまな形態について具体的かつ詳細に述べているのであり、その限りで、この使用は正当であったといえる。
「報告書」は、「狭義の強制」があったか無かったか──を最重要論点とする一部研究者の見解を踏襲しているようである。しかし、上で見たような内容きわめて曖昧な「強制連行」なる語が
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)