「従軍慰安婦」と「挺身隊」──────朝日「第三者委員会報告書」に寄せて/Giton
語が一人歩きして、論者によって(あるいは、同じ論者でも、時と都合しだいで)広狭その他いかようにも内容を盛り込まれてしまう語として存在する社会的実態を踏まえないで議論すれば、恣意的結論にのみ至ることとなるであろう。
「報告書」は、1980年代において、吉田清治証言(暴力的な“慰安婦狩り”を自ら行なったとする証言)を報道していた朝日が、吉田証言の信憑性が危うくなると、一転して「広義の強制」(金学順のようなケースを含む)を主張するのは、問題のすりかえであると言う。この「問題のすり替え」という結論も、結果的には、上記の一部研究者見解を踏襲するものである。
もし、当初、吉田証言によっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)