頭蓋の空洞は囁く/ホロウ・シカエルボク
縛霊のようだ、決められたエリアから逃れることは永久にない…マグナムがあれば彼らを少し賢くしてあげることは出来るかもしれないけれど、そんなことをしたらあの世は浄化出来ない白痴でいっぱいになっちまうだろうな、とうぶん俺は引鉄に手をかける気はない、あちらこちらに気を使える人間なもんでね…やあ、日付が変わった瞬間に狂ったように冷え始めた、冷気と凶器が体温計の中の水銀のようにどろどろと動いている…脳味噌が吹っ飛ぶ瞬間、そいつを生きながら知ることは出来るだろうか?脳味噌が吹っ飛ぶ瞬間さ、物理的にでも感覚的にでもいい、人生が色を変えるようなエキサイティングな瞬間、なんて陳腐な言葉で置き換えたって構わない、俺の脳
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