秋の階段/Lucy
の空にめくれた口唇のように白い半月
君の眠りは黒雲の流れ途切れながらなお遮るのしかかる記憶の闇に閃き轟かす稲妻かつて一時期この様にさざめくそよ風殺意秘め救済に込められた暗示を突き刺し跨いで跳べはるか天空桃色の空を行く幾千の鯨の傍らで熟れ落ちてゆく月のとなりであせてゆく君の横顔
元気でいてください元気でいてください元気での言葉が届く元気でいてください無関係のさざ波の日常の切れ間からすでに繋がらないことを告げ
元気でいてください元気でいてくださいどうぞご自由に
届く祈りも願いもなく届けたい強い思いもなく無残にも過去へ遡り朽ち果てたもやいをみいだすまでもなく
断ち切る痛みもなく憎しみもない喪失
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