血/葉leaf
家族は血のつながりであり、歴史のつながりであり、土地のつながりであり、愛情のつながりである。家族を泉として、そこからつながりが徐々に遠くへと流れ着いていく。血のつながりは遠い祖先の瑞々しい表情にまで脈を走らせる。歴史のつながりは地球の物語の始まりにまで捜索の足を延ばす。土地のつながりは山から山へ、雲の影と共に大地を走り尽くす。愛情のつながりは共同体から社会・国家を駆動するチェーンとして規模の拡大に堪えていく。
(家族はいつでも偶然出会っている。親から産まれた子供は必然的に親と出会うようでありながら、そこにはいつも偶然の軽やかさと風通しの良さがなければならない。たまたま同じ車両に乗り合わせた乗客同
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