Era/桂
時代が区切る この街に圏外なんて存在しないから
プルル
今日もけたましく鳴るコールにうんざりしながらも受話器に耳を当てて時代に応えてる
話終える前にキャッチ音が入って
また保留音と共に流れていったチャンス
指にコードを巻きつけて いじけてる間に混線して引っこ抜いたコンセント
夜になったら無性に誰かの声を聞きたくなって
こっそりまた差し直す
時に火花散る剥き出しの導線
恐れずに握りあえたなら最期はきっと感動死
ピーッと暗闇で終わりを知らせる心電図
言いたいことがあるなら
胸の鼓動が鳴り止まぬうちに
ダイヤルを回して
この世界にメッセージを
突然押し寄せた
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