ぷにゅーま/ただのみきや
やわらかい殻にいっぱいの息
わたしは風船だな
見える触れる存在を
地上に繋ぎとめているのは
幼子の手のひらのような柔らかい絆だけ
父の肩車でぽってり眠ると
結んだ力がほどけて
音もなく上って往くように
そう 霊は大気より軽い 軽い
誰かが見上げて泣いている
ゆっくりと遠ざかる大地に
文字がうごいているように見えた
いかようにも変わりゆく詩のように
人々はこらからも暮らして往くのだろう
限りない大気の中で
未だひとつの己を保つ
なんとも不思議なことだ
やがて 突然
あるいはゆっくり
わた
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