ニューハーバー/草野大悟2
すから……ですから、私、ソープランドで働きます。よろしくお願いします」
思い切って言って頭を下げた。
野原は目を丸くして智子を見つめた。まさかソープで働くと言い出すとは考えもしなかった。
黒目の大きな二重瞼の瞳が、野原をじっと見つめている。
「トモちゃん、それはだめだ。僕の所で働かないか、とは言ったけど、ソープだけはだめだ。第一、ソープの仕事ってどんなことやるのか知って言ってるの?」
「ええ、大体のところは」
「大変だよ実際。だめだよ、ソープは」
「いいえ、やります! やらせて下さい! お金早く返したいんです。そして、イタリアンレストランをやりたいんです」
「うーん……」
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