ニューハーバー/草野大悟2
野原は眉間に皺を寄せ、腕組みをしたまま黙り込んだ。
「できれば店のシステム教えて頂けますか?」
「えっ、システム?」
「ええ、時給とか勤務体制とか」
「うーん、でもなあ……。トモちゃん、ソープはほんと辞めたがいいって」
「大丈夫です! 私やれます!」
一旦こうと決めたら、頑ななまでにそれをやり遂げようとする。そんな所も学生時代と全く変わっていない。野原は、大きなため息をついて、しぶしぶ説明を始めた。
どうしてもソープで働くというなら、経営している十店舗の中で、一番客筋の良いニューハーバーがいい。
ニューハーバーには全部で八人の女の子がいる。そのうち三人は午前九時から午
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