ニューハーバー/草野大悟2
 
もいいんですか? なんでそんなにしてくれるんですか? 本当に夢みたいな話なんですけど。そうまでして頂くことが、なんか気持ち悪い、というか、どうしても腑に落ちないんです」
 野原が、突然大きな声で笑い出した。
「私、何かおかしなこと言いました?」
 智子はムッとして言った。
「いやあ、ごめん、ごめん。トモちゃん、高校の頃と全然変わらないから何か嬉しくなってさ。あの頃から、納得できないことは、徹底して質問してたよね。実はね、トモちゃん、僕とユタカは大学の同級生なんだ。ユタカとは本当にウマが合って、どこへ行くにもいつも一緒だった」
 初めて聞く話だった。
「でね、僕、大学を二年で中退したのね
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