ニューハーバー/草野大悟2
 
の目に魂を吸い取られたかのように、こくん、と頷いた。
「よし。親父に、迷惑をかけたと伝えろ。それに、智子を野原の所へ連れて行け。田桜の奴らに見つかるんじゃないぞ、いいな」
 抑揚の全くない低い声で結城は言った。
 運び入れた荷物の中には、鉞、分厚い板、ハンマーそれにブルーシートが入っていた。
 ブルーシートの上に板が置かれた。結城は黙って左腕を乗せ、岩野を見て頷いた。手首をめがけ岩野が思い切り鉞を振り下ろした。 ドン、と大きな音がして左手首が腕から外れた。「次は右だ」、顔色一つ変えず結城は岩野を見た。岩野は、言われるがまま、右手首に鉞を振り下ろした。
 切り離された右手首と左手首が、ブル
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