ニューハーバー/草野大悟2
! それに、ワインも料理にピッタリ。って私もワインのことはなーんにも分かんないけどね。ふふ」
二人は顔を見合わせて笑った。
デザートのズコットジェラートとエスプレッソコーヒーが終わり、食後酒のリモンチェッロを飲んだ。爽やかで甘いレモンの香りの向こうに、カプリ島の真っ青な海中洞窟が見える。
「ほんとに、ほーんとに、おいしかったです。ありがとうございました。いつか私にぜひイタリア料理教えて下さい。私、こんなお店を持つことに決めました。大好きな人と」
智子は赤い顔をして、少しふらつきながら深々と頭を下げた。
沙羅は目を細め、「そうなるといいね。イタリア料理をやりたかったらいつでもおいで
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