『サフランの髪飾り』/座一
 
でしまう
そのまえに ぼくの名を・・・

どんどん回転していくのが分かる
列車は弧を描き出した。突風列車はぐるぐると、竜巻のように空へ巻き上げられていく。

サフラン・・・

ねえイナフ、知ってるかい?光は幸せを願ったんだ。
でも、知ってしまった。 
知ってそれでも生きて行くのがどういうことかを知ってしまった。
だからその蒼白くふるえあがる想いを 可愛く纏って
ただ、何てことない風に おしゃれと好き合ってふふんと歩く
ただそれだけの仕草だったのだよ
私はただの 目撃者、
目撃者でしかなかったのだ。
 
帰りの列車の中で、マリークロッカスは、ずっと泣いていた。

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