宮澤賢治 文語詩未定稿『雪峡』の鑑賞のために/Sabu
たように見えます。しかしそれは消えたのではなく、文語詩中の「神楽」という象徴的な言葉に相転移したものと私は考えます。それゆえにこそ、「神楽」の解釈は、文語詩「雪峡」全体の鑑賞に大きく影響することになると思います。
【筆者注】「相転移」:鉱物学分野の言葉で、同じ化学組成の鉱物が、異なる温度・圧力条件の下で、異なる結晶構造の鉱物に変わることを意味します。ここでは、短唱「冬のスケッチ」や文語詩下書稿等に見られる賢治自身の体験や素材が、文語詩の言葉として結晶化する過程の比喩として使用しています。
◆「日天子」の解釈と「神楽」との関連について。
この作品の鑑賞にとって「日天子」の解釈は「神楽」と
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