畜生讃歌/佐藤承夕
口で愛を語りながら
別の誰かを抱き締める
色は移ろい美は枯れる
全ては醜く腐るもの
果敢ないものに囚われながら
愚かに求めるクソガキです
一時の夢幻と知りながら
それでもなにかを愛するのは
人の弱さかはたまた馬鹿さか
パンドラに残った唯一の光か
有象無象の人の世は
醜くて見にくくて目を反らし
冷たくて悲しくて目を伏せて
誰もが騙して生きている
他人や己を欺きながら
厚い眼鏡をかけながら
辛い現実を甘い嘘に溺れて生きる
ねだって待ってるクソガキです
狸に狐に虎に狼
猫や羊を食らいながら
皮を剥いでそれを被る
魑魅魍魎の如き世界
人は
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