丘/Giton
校からひとりで帰るときにはいつも
錆びた金網にできた小さな穴をくぐって楽園に入り込んだ
人が歩かなくなった荒れた坂道の中途には
かつて噴水だった緑色のコンクリートの残骸と
子供の塑像がひとつだけぽつんと残されていて
それは古くて片腕がもげているのに
まっすぐに跳び出したちんこときんたまは
造られたばかりのように真新しくあでやかで
滴り落ちる樹々のしずくに洗われきらきらと光った
ぼくは学校が退けるとその子供の像に寄り添い
すこし濡れた陶製のちんこをなでては
自分の指の匂いを嗅ぎ
木漏れ日が傾くまで落ち葉に身体をひたした
晴れた日には授業のあいだも胸をときめかせ
昼休みには
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