リアルは断定しない ? 子守唄には戯言が一番 ?/ホロウ・シカエルボク
 
か意識をかっさらわれてしまったのだ…どちらに転ぶこともままならない状態だった、再び眠るには覚め過ぎたし、起き出すには足りなさ過ぎた、だから横になったままで…それがどんなデータだったか思い出せないくらいのボリュームで流れている旋律に耳を傾けていた、音楽を流したまま眠ることをいつの間にか止めていた、それは確かレコードからコンパクト・ディスクに変わったころのことだった、性質が変わった、あの時そう感じたのだ、これは何か違うものになってしまったと…寝床に寄り添うようなものではなくなってしまったと…いまではもうそんな風に思うこともなくなった、レコード・プレーヤーを持っていないせいかもしれない―でもいまでも時々
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