精通/ただのみきや
 
私を強くした
友だちと一日中外で遊び――焼けた肌に汗がヒリヒリして
午後には真っ赤なスイカで体を冷やし夕方にはいつものテレビで笑う

私は日が暮れる前にしっかりと窓を閉め鍵を掛けた
窓からできるだけ離して布団を敷く 明け方まで漫画を読むつもりで
だが 疲れが出たのか あっという間に眠っていた 
点けっぱなしにした電燈もわざわざ母が消してしまったようで
物音に目を覚ました時 お膳立てはすべて整っていたのだ
 ――コツ コツ と ちいさな硬い音   
見定めるのが怖かった だが目を瞑ったまま
 ――ちいさな子どもの骨だけの手が硝子を掻き毟るような――
そんな音を聞き続けるには朝
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