空を飛び、血に塗れる、そこにどんな違いがある…?/ホロウ・シカエルボク
といったようなぼんやりとした塊があったに過ぎない…消えてしまったのならきっと、それは残すほどのものではなかったということなのだろう
戦争の夢を見た、それは街頭インタビューを受けるところから始まった、「もしも戦争が始まったらあなたはどうしますか?」こましゃっくれたショートカットの小柄な女は、何か面白い答えを聞かせてくださいよというような微笑を浮かべてこちらにマイクを向けた、「国が人を殺して良いって言うんなら、せっかくなんで軍隊に入りたいですね」そう答えるといわゆる苦虫を噛み潰したような顔―そんな顔の見本のような表情になって、唾を吐くような感謝の言葉とともに離れていった―面白いことを言ってや
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