空を飛び、血に塗れる、そこにどんな違いがある…?/ホロウ・シカエルボク
 
てやったんだがな―もっともそれはサービス精神から来た言葉ではなく、普段から漠然と考えていることではあった、無駄にしない自信があるのなら、どんな経験だってするに越したことはない、そうは思わないかね…そうして戦争は始まる、お望み通り兵隊になって、指揮官の号令のもとに銃をぶっ放した、夢の中だからなのか、あるいはそうした覚悟の違いなのか、幸運にもどんな弾も爆弾も食らうことは無かった、ひたすらに撃ち、手榴弾を投げ、たくさんの人間を殺した、これだ、これが死だ、ぶち抜かれる脳天、破裂するはらわた、そんなものの洗礼を浴びながら、様々なシチュエーションで、様々なニュアンスで、様々な声で死んでいく人間たちを見ていた、
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