嵐の夜に灯火を照らして/りゅうのあくび
吹きすさぶ
嵐が接近する
真夜中に
灯火で照らすのは
きっと陸にある
港のような君と
海を航行する
船のような僕を
繋ぎ止める
綱の堅い結び目で
しかないのだろう
小さな港では
ランプを点けて
使い古された
ラジオの気象放送から
記録をする天気図で
嵐が接近する
時間を推定しながら
夕食も食べずに
天気図の報せと
格闘するばかり
時間だけが
過ぎて往く
そういう夜空を
思い出す
大昔に
ガリレオ・ガリレイが
記した地球の姿は
遠い日にある
夏の記憶と
ともにあるはずで
もはや紫色になって
堕ちていった
昨日の夕陽
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