人間の完成/まーつん
 

 私は知らない

 今はまだ

 私たちは、なぜ
 生きていくのだろう
 こんなに苦しい思いをして

 若き日に燃やした
 情熱の残り火を
 胸元に抱いて

 闇の向こうに
 隠された手がかりを
 時節、照らし出しながら
 出口を求めてさまよう

 今の私も、その一人
 そしてどこかに
 あなたがいる

 私たちを隔てるこの闇を
 永遠に払ってくれる
 そんな光は、ないのだろうか

 懐旧は一時の慰め、
 悦楽は総ての穴を埋めはせず
 人はもっと永続的な輝きを探して
 神の門を叩き、科学の生末を見守ってきた

 そして
 背後から響く
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