いちばんの孤独/佐伯黒子
ゃと思った。でもその半月だけは、本当に不思議なくらい静かで、「ああ、月には風が吹かないよね」と、とても当たり前のことをつぶやいて、地球の外側のことを少しだけ考えた。
深夜にひとりで考えることが多くなったような気がする。毎日三食食事をすることが難しい日が続く。そもそも三食、というルールはどこから始まったのだろう。モーニング・ランチ・ディナーという名前をつけた人は、いったいどれくらい昔に生きていた人間なのだろう。キャンドルを見つめ、ビタミンを摂らなきゃいけないとか、野菜が不足しているとか、そういうことを考えて人が食事をしているのは人類史の中でどれくらいの割合なのだろうと考える。
長く生きる
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