いちばんの孤独/佐伯黒子
きる、病気をしない、早寝早起きをする、いつまでも健康で、健やかでさわやかな毎日、それを手にするために色々なことを犠牲にする。例えばひとりで老いる孤独感や、生きていくために必要な生活費・医療費等を得るための辛い労働や、社会システムの中でやらねばならない面倒な手続き。それよりも果たして、長生きや健康は恵まれているのだろうか。こういうことを考えている私は、いま少しずつ自殺をしているところなのだろうか。
今夜も彼は来るのだろうか。
いつもそばにいるはずなのに、私はいちばん孤独のような気がした。
同時に、私の中でいちばん孤独な私が、いちばん好きだった。
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