駆除/ホロウ・シカエルボク
 
窓のそばに居た少年も少しリラックスして缶ビールを飲んだ、楽しそうな連中の中に居ることは嫌いではなかった、たとえそれが本当のものではなかったとしても…明け方が近くなったころ、騒ぎの中でうとうとしていた彼の耳は複数の静かな足音を捕らえた、「誰か来た」「逃げろ」彼が静かにそう告げるのと同じだった、少年たちが居る部屋のドアを蹴り開けて数人の大人が雪崩れ込んできた、完全に油断していた仲間たちは体勢を整える暇も無く取り押さえられた、青い瞳の少年にだけは、そうさせない為の準備をする時間があった、仲間たちを乗り越えて彼の元に向かってきた若い刑事に、彼は隠し持っていた銃を向けた、刑事がひるんだ隙に一発撃った、脚を押
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