駆除/ホロウ・シカエルボク
 
病を持った野良犬がしばしばうろついていたし、麻薬で頭がいかれた連中もたくさん居た、そいつらがゾンビ映画のように毎日、殺し合いを展開していた…少年たちの隠れ家はそういった区画の一番はじのあたりで、やましいことがある連中はみんなそこまではやってこなかった、隣のブロックにやってきた警官なんかに見つかるとオダブツだからだ、少年たちは気を引き締めて耳を澄ませた、犬の吼え声がした、まともな犬の声だった、病気のある犬の声は、ジョン・ゾーンの叫び声のようなイントネーションになる、少年たちは長い間そこをアジトにしていたから、そうした鳴き声を聞き分けることが出来るようになっていた、食べ物や酒を盗み、無差別な暴力を繰り
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