駆除/ホロウ・シカエルボク
 
繰り返してはそこへ潜り込んだ、目に付くような道は決して通らないようにしていたから、法規的暴力によってそこを嗅ぎつけられる可能性はまず無かった、でも彼らは用心を忘れなかった、まだ十代半ばの連中にしては良く出来ていた、ここは地図に無い島ではないのだ、カンのいいやつなら地図を見ただけで怪しいと思うかもしれなかった、罪を犯すときにはなるべくそこから離れた場所で行うように注意してはいたけれど、グループの中に一度も捕まったことの無いものなど居なかったし、用心はし過ぎるに越したことは無いと誰もが理解していた、だからさっきのクールな声に異議を唱えるものはもう居なかった、彼らは廃棄物のようにしんとしていた、僅かに建
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