駆除/ホロウ・シカエルボク
はばっちりだった」と誰かが言い、また別の誰かが賛同するように浮かれた声を上げた、「静かにしなよ」と高いがクールな声が彼らを制した、「サツがその辺に居たら怪しまれるぞ」「お前はまた」とまた別の誰かが口を開く、「俺たちのリーダーにでもなったつもりで居るのか?」「そんなつもりは無いよ」「ただ、忘れたのか?ニックは逃げ切ったつもりでいい気になってるところを押さえられた、ついこないだのことだぜ」「まあ、わかっちゃいるけどよ」と、噛み付いた声はしぶしぶ同意した、隠れ家は数十年前までは住める家だった廃屋で、その周辺の建物と同じでもうなんの価値もないものだった、もう誰もそんなところになんか近寄らなかった、狂犬病を
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