処女作/左屋百色
言ってるし。さらに話しかけてきてさ、(君は花の種類どれくらい知ってる?
光合成っていうのはね、とか語り出してきてさ。え?こわいんですけど、ちょっと警備員さんどこですか。あれ、誰もいない。さっきの人もいない。うわっ。最悪、何これ?夢?でね、外へ出たら海なんだよね。しかもね、砂浜にわたしがいるの。ひとりで。あれ?じゃあ私は誰なのよ、てな話じゃん。で、私はわたしに声かけたんだよね、とりあえず。そしたらさ、
(わたしは砂を掘って言葉を埋めてます、手伝ってください。ですって。ですってよ。うわああ。砂を掘って言葉を埋める?こんな詩だけは書きたくないな。言葉に振り回されてるもん。こわいよ。なんかもういいや。
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