トラッシュ(覗き込んだつもりが実は)/ホロウ・シカエルボク
だ座り込んでいた、思い返すのは水の中で死を予感した瞬間の戦慄と、何とかこの世に留まろうと強く願った思いだけだった、朝に光を跳ねる川面を、夜に隠れ、わずかなせせらぎだけを聞かせる川面を、彼女は眺め続けた、どんな変化が訪れることもなかったし、それはこれからもおそらくは訪れることはないだろう、認識されない質量はどこへやられることもない
日常は淡々と流れ、それは最高の優しさであり、また、最高に残酷な現象でもある、ある瞬間とある瞬間の狭間で、それは振り分けられていく、心のありようがどうだとか、日頃の行いがどうだとか、実際そんなことはあまり関係が無い、それはただ、どちらの側に転がって来たかという話に過ぎ
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