墓参/MOJO
 
が土質に影響しているせいか、生い茂る木々が細く、また高原特有の乾燥した空気のせいか、全体的にパステル画のような穏やかな景観であった。県境付近は、丹沢山系に属し、木々も太く、葉の緑も黒ずんでくるようである。
 叔母たちは、互いが所属している句会での旅行の話や、他の親族の噂話にも飽きてきたようだ。
「ねえ太一、あとどれくらいで帰れるの?」
「さあね。高速の渋滞が解除されればそこから一時間もあれば着くよ」
「ねえ、真澄のこともあれだけど、太一もたまには教会に来なさいよ」
「そうよ。太一は小さなときから牧師さんに懐いてたじゃない。もうおじいちゃんなんだからたまには会いに行きなさいよ」
「いや、
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