ライン/ホロウ・シカエルボク
だ、あなたはわたしの言葉を疑い、わたしはあなたの言葉を断罪するだろう、なにも語ることは出来ない、生まれてそのまま死んでいくたくさんの音節、塵と同じ存在の死が床に積もって、部屋は満ちていく、どんな嘘なら良かった、どんなデタラメなら…信じることも疑うことも容易い、本当に本当に何もかも容易い、紐を引けば明るくなる電灯のように容易い、信じるに値するか、疑うに値する、そんなものが欲しかった、たったひとりで眠るときに、たったひとりで目覚めるときに…わたしがあくびをするとき、目の端に残った目やにを気にするとき、それが嘘でも本当でもないというところにあったまま微動だにしないとしたら、それは…
娘の言葉は娘が
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