ライン/ホロウ・シカエルボク
潜っていた警官が遺書らしきものを見つけた、二人ほどがそれを読んで理解しかねるという風に首を傾げた、そこに書かれていたのは短い詩のようなもので、死を選択しない者たちには決して理解出来ないだろう内容だったー死の種類の良し悪しをどうこう言おうというつもりはない、ただそれはそういう種類の言葉だったというだけのことだ
その短い詩の他に残されたものはまるでなかった、娘がどこの誰なのかそこにいる誰にも知ることは出来なかった、そしてそこにいる誰もがそういうことには慣れていた、納得することは出来ないがそれはそういうものだ、とそこにいる誰もが思っていた、おそらくどんなに探しても彼女が誰であるかということについて
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