「反復」先田督裕 生きるための詩について書いた/nemaru
してもエイは特に興味を持っていない。「生甲斐でも生じたと思い直すのか」いやいや、エイがそう思っている可能性は限りなく低いでしょうと、すかさずツッコミを入れよう。生きようとも死のうとも思っていないのだから、生甲斐もないだろう。エイだし。ただ反復動作をくり返すだけ。
「でも私人間だし…」そりゃそうだ。というか、誰に答えてるのか。幻聴が聞こえているわけではないので安心してほしい。だけどさ、この詩は何も動物になって何も感じずに働けやコラーという話でもない。ただ「彼にとっては死ぬに値しないのだ」。エイになれというわけでもない。ただ彼はどこにいようが同じ動作を「反復」し、この世の中に死ぬに値するような絶
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