「反復」先田督裕 生きるための詩について書いた/nemaru
程度拘束されてしまう。自由になりたいと思う。自分の人生のやりきれなさにじゃっかん憂鬱になったり、軽い絶望や重い絶望をおぼえたりする。そういった時に、このエイは効く。エイが効くというより、エイの動きから取り出された気づきが効く。気づきはたった一行「彼にとって死ぬに値しないのだ」。もう覚えただろう。これでもうフレーズを携えている。私はプレゼンする前とか、新しい場所に飛び込む直前にはこのフレーズを取り出す。小心者なのだ。死ぬかもしれないとか思ってしまうとき、このフレーズを取り出すと、緊張がほぐれる。ほぐれはしないけれど。
「死ぬに値しないのだ」の反対は「生きるに値する」だと思うのだが、そこに関して
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