不器用な獣の手のひらの温度は/ホロウ・シカエルボク
えておかなくちゃ
本当のことになろうとするやつらが大好きさ
長生きしようとすれば嘘にならざるを得ないからね
だけど、そうさ
運命とは関係のないところで
運命とはまるで関係のないところでさ
静かに枯れることなく咲き続けていられる微かな香りの花を
そんな花になれそうな種を出来る限り蒔いておくんだ
握手出来そうな誰かに
いつでも寄り添えるようにさ
もしもそれが上手くいったら
きっと季節と同じようなものになれるぜ
鈍重な静寂は確かに俺を殺そうと目論んでいるのかもしれないが
考えようによっちゃ抗う意地を忘れないでいさせてくれるお節介な野郎さ
さあ、少しスピードを上げてみるときだぜ
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