不器用な獣の手のひらの温度は/ホロウ・シカエルボク
 
だぜ
一度手をつけちまったら少しは懸命にだってならなくっちゃな
雑音を気にしている場合じゃない
そんなものはなんの役にもたちゃしないぜ
せいぜい一行を潰すセンテンスになるだけだぜ
不味いガムを噛んだような気分になるのが落ちさ
何度か似たようなことを話しているだろう
些細なこともとんでもない間違いになりかねない
懸命になるのならタイプミスにだって気をつけなくちゃ
なんでも構わないのならなんでも出来るようにしておかなくちゃいけない
形式的なイズムなんて邪魔になるだけさ
もう一度果てしない場所を駆け回るために
こうした手段に手をつけたのではなかったか?
迷いが生じるのは目隠しを
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