神/山人
 
内容などどうでも良く、彼女の存在だけが心を占めていた。
観音開きの広間に入ると、小さなテーブルが置かれてあり、佐伯孝子とは違う女が受付をしていた。
「お忙しいところ御苦労様です、ここに署名をしていただきたいのですが」
孝子とは似ても似つかない、えらの張ったごつい感じの女だった。事務的で愛想などかけらもないといった感じであった。
 ホールにはそこそこの人数が居た、二十人くらいであろうか、おそらくからかい半分がほとんどであろう、そう俊介は思っていた。
先ほど受付をしていた女は白石と言う名前で、神の定義や精神世界のことをぐだぐだと話し始めた。十分ほど白石の話があり、このあと神様による講義がある
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