笛吹き少年の行くえ(8)/Giton
 
究会・編『宮沢賢治 文語詩の森・第三集』,2002,柏プラーノ,pp.224-231.)において、富樫均氏は、この詩について、次のような理解を述べておられます:

「この神楽(御神楽)の由来にてらせば、一連目の神楽の音は、二連目の『黒の窟』からあらわれる『日天子(太陽神)』の描写に神話を介してつながっていることがわかる。つまり、短い表現のなかで冬の谷間の情景に重なるように、天地創造の神話世界が見えてくるのである。」

「〔…〕その後の詩稿では、『口碑』の痛ましい記述はほとんど削除され、たしかに地下に収められてしまったかのようである。しかし、『口碑』の結びにうたいこまれた『救われた思い』〔「
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