笛吹き少年の行くえ(7)/Giton
 
ことが考えられます。

いまや、「神楽」は、「日天子」の登場の伏線であるにとどまらず、「神楽」自体が、少年の命を奪う災害の予兆です。
そして、「日天子」の登場という〔B〕のメイン・イヴェント自体が、雪崩れ事故の譬喩‥あるいは、雪崩れ事故という自然災害を、超自然的に象徴化した形象であるように思われます。「日天子」は、一方では、雲間から現れた太陽であるとともに、他方では、自然災害、ないし超自然的な災厄の脅威を実体化した神格であると言えるのです。


ところが、次の段階へ進むと、作者は、これまで丹念に推敲してきた〔A〕断片の大部分を、バッサリと切り捨ててしまいます{注=これまでせっかく苦労し
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