笛吹き少年の行くえ(7)/Giton
労して推敲してきたメイン・イヴェントをバッサリと切り捨ててしまう・このような極端な“刈り込み”は、この詩のみならず、賢治晩年の文語詩稿では、一般的に見られるものです。このような文語詩(公刊されていた定稿形・最終形)に対して、かつて(1970年代の『校本全集』で下書稿が公表されるより以前)は、「詩想に表現がおいついていない」(中村稔)、「一見骨ばかりに痩せた枯淡の感を与える」(小沢俊郎)といった否定的な評価がふつうでした。}:
下書稿(三)手入れ(3) 〔A〕+〔B〕
なだれ (了)
塵のごと小鳥啼きすぎ
ほこ杉の峡の奥より
あやしくも神楽湧ききぬ
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