笛吹き少年の行くえ(7)/Giton
 
のないものが多く、とくに文語詩の大部分は題がありません。「無題」という題名も、決して使われませんでした。これは、題を作品の一部とは考えていなかったことを示すと思います。賢治にとって、題はあくまでも本文に対する注釈であって、題によって作品内容に何かを付け足してはならないし、本文内容から“はみ出る”題も、本文と重複する題も、削除されなければならない──と賢治は考えていたように思われます。}

つまり、少年が遭難した原因は、雪崩れに遭遇したためだと、この題名は暗示しています。そうすると、雪に埋もれた峡谷の奥から「あやしくも‥湧」いてきた「神楽」とは、雪崩れの前兆の轟音なのではないか。。。 ということ
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