笛吹き少年の行くえ(7)/Giton
御囃子も連想させます。しかし、少年は御囃子の一員だった、というような結びつきが読み取れるかどうかは、分かりません。むしろ、少年と「神楽」との関係ということで言えば、もっと重大なつながりが発見できます。なぜなら、題名が「なだれ」に変更されているからです。{注=宮沢賢治の詩の題名は、しばしば内容に関する注釈として付けられています。本文だけでは、意味内容が読みとりにくい場合に、しばしば題名によって読者に説明することが行われます。これは、『春と修羅(第1集)』以来、頻繁に見られます。おそらく、賢治は詩の題名を、和歌の詞書(ことばがき)のように考えていたのだと思います。詩業を通して見ても、賢治詩には題名のな
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