笛吹き少年の行くえ(6)/Giton
 
まり文語短歌から童話と口語詩に移るまぎわの時期に制作された『冬のスケッチ』の一部に、加筆されたものなのでした(注:加筆の時期については、ここで詳しい考証を論じる余裕はないのですが、1930年以後の早い時期と、私は推定しています。)。いわば、《文語短歌時代》の終りから、《口語詩時代》を一気に跳び越えて、晩年の《文語詩時代》に持ち込まれたことになります。

ただ、前回も言ったように、この〔A〕は、内容的にいかにも断片的で、いったいこの「少年」が、これからどうなるのか尻切れトンボです。これだけで一個の作品とするには足らないうらみがあります。

そこで、次に、〔B〕断片のほうを見たいと思います:
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