笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
1970年代の『校本宮澤賢治全集』編集者(入沢康夫、天澤退二郎、宮澤清六、‥)に共通する認識でしたが、
こんにちでは、すくなくとも宮沢賢治研究者の多くに共有されているものといってよいでしょう。
ただ、現在の時点では、さらにこれを超え出た議論がされています:
1 それはまず、作品作者としての宮沢賢治は、「永久の未完成これ完成である」という流動性にまったく身をゆだねていたわけではなく、やはり、(少なくとも生涯何度かの)完成された作品の概念を持ち、完成を目指して努力していたのではないか、ということです。それは、作品創造の方法が意識的であればあるほど、持っていなければおかしい概念であるわけで
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